糖質制限なんでも雑談掲示板

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「体重64kgの2型糖尿人で、1gの糖質が3mg血糖値を上昇」の根拠は? - kosuge

2013/06/21 (Fri) 12:13:41

別の件名「ローソンブランパン」で私が皆様にお聞きした「体重64kgの2型糖尿人で、1gの糖質が3mg血糖値を上昇?」への回答を、巨人様とざと様からいただきました。私の問いかけは、江部先生がブログで何回かそのように述べられている、その根拠を問うものでした。

それに対して巨人様は次のように答えてくださっています。

以下、引用---


江部先生は2010/04/16 17:02の糖質の種類及び血糖値上昇率・第三金曜ライブという記事に、「バーンスタイン医師の糖尿病の解決」(メディカル・トリビューン、2005)によれば
と書かれておりますので、それを見て算出しておられるのかと思います。
ちなみに二型糖尿病の方が64kg=3mgの血糖値上昇率なら
64×3=192で
192÷体重=糖質1g辺りの血糖値上昇値
となりますので、体重が変化すれば、血糖値上昇値も変化すると思います。

(以下駄文)
が、江部先生も仰られているように個人差がありますので、私は若鶏ささみ120g(糖質量約1g)か、成鶏ささみ95g(糖質量約1g)を食べて、その都度血糖値上昇値を計っております。

---- 以上、引用終わり

巨人様、改めて感謝いたします。

私の探し方が良くなかったようです。ご紹介いただいた江部先生のブログの該当部を読みました。http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-1163.html

以下、引用---


「バーンスタイン医師の糖尿病の解決」(メディカル・トリビューン、2005)によれば、1gの糖質が体重64kgの2型糖尿人の血糖値を約3mg上昇させます。


(中略)


体重32kgであれば約6mg上昇させます。
体重128kgならば約1.5mg上昇という計算になります。

そして1gの糖質が体重64kgの1型糖尿人の血糖値を約5mg上昇させます。

体重32kgであれば約10mg上昇させます。
体重128kgならば約2.5mg上昇という計算になります。

勿論、あるていど個人差はあります。



--- 以上、引用終わり


このように書いておられるので、早速、バーンスタイン医師の著作で、江部先生が依拠している箇所を探しました。また、念のため、原著であり、この日本語訳が出版されてから以降に新たに改訂・増補された Dr. Bernstein's Diabetes Solution (Little, Brown and Company, 2011)も読んでみました。


すると、どうも江部先生の口吻とはかなりかけ離れており、また体重との相関性を、このように明確には言えないのではないか、それは「ある程度の個人差」以前の問題ではないかと思いました。


江部先生はおそらく、バーンスタイン医師の2007年版日本語訳に依拠しておられるはずですが、5章「小さな数(または量)の法則」の「炭水化物評価の法則」には次のようにあります(p.83-85)。


「例えばあなたが2型糖尿病患者で、肥満であり、ある程度のインシュリンを産生するが、同時に注射もしているとする。あなたは1gの炭水化物が血糖値をたった3mg/dl しか上げないことをすでに知っている。すると(以下略)」(p.84)


この節「炭水化物評価の法則」全体を提示しないとわかりにくいでしょうが、この節は当時のADA(米国糖尿病学会)のダイエット勧告の高炭水化物摂取量の無意味さなどを論難しているのですが、ごらんのように炭水化物1gと血糖値3mg/dlは、「例えば」という仮の特定例の中で述べているだけです。まして体重には言及していません。体重に言及しているのはおなじ節の中での1型糖尿病患者に関する文で、そこではこうあります。


「あなたが肥満ではない体重150ポンド(68kg)の1型糖尿病患者で、全くインスリンを産生しないとすると、炭水化物1gは血糖値を5mg/dlぐらいあげるだろう。」(p.84)


ちなみに最新の2011年版(英文)にも該当箇所があるのですが、ここでは1型糖尿病患者については


Now, if you're a nonobese type 1 diabetic who weight 140 pounds(63kg) and makes no insulin, 1gram of carbohydrate wil raise your blood sugar by about 5mg/dl.


と、異なった体重にはなっていますが、他は日本語版のと同様です。また、2型糖尿病患者については2011年版では日本語版と同じで、体重への言及はありません。


江部先生は明らかに、1型糖尿病患者についてはバーンスタイン医師とは体重が違い、2型についてはバーンスタイン医師は述べていない体重に言及されています。


ちなみに、バーンスタイン医師のは、日本語訳でも2011年版でも、他の箇所を読んでみても、糖尿病患者の体重と血糖値との相関関係について触れているところはありませんでした。



他の方の研究で、この関係について述べているのをご存知のかたはおられますか? それともほとんど根拠はないのでしょうか?

Re: 「体重64kgの2型糖尿人で、1gの糖質が3mg血糖 - 巨人

2013/06/21 (Fri) 14:52:09

kosugeさま

すみません、私はバーンスタイン氏の著書を読んでいないので、殆どの事にお答え出来ないのですが…
>江部先生はおそらく、バーンスタイン医師の2007年版日本語訳に依拠しておられるはずですが、

と、ありますが江部先生は
>「バーンスタイン医師の糖尿病の解決」(メディカル・トリビューン、2005)によれば、
とありますので2005年12月発行の方を見られているのではないでしょうか?2005年発行のと、2007年版のとの差違はわかりかねますが…

Re: 「体重64kgの2型糖尿人で、1gの糖質が3mg血糖値を上昇」の根拠は? - kosuge

2013/06/21 (Fri) 16:06:04

巨人様

あ、これは私のミスですね。ご指摘、ありがとうございます。正確に記すべきでした。

バーンスタインの著作は、1997、2003、2007、2011(最も新しいもの)と改訂されております(原著の書誌より)。日本語訳は2005年に日本語版として最初に翻訳されていますが、その後に2007年版の原著が出され、訳者の太田喜義先生により、第3版として新たに改訂版として翻訳出版されています。江部先生がご覧になったのは2003年の第2版の翻訳でしょう。

ここは訂正させて頂きます。

とはいえ、2007年版とともに最新版を比べても、バーンスタイン医師が「例え」として記述しているという私の印象は変わりません。体重と血糖値について、2003年版で、江部先生の引用なさったように記していることはないだろうと推測します。また、例えそうであったとしても、ここはかなり機微に触れるところであり、やはり最も新しい知見を確かめて記述するべきではなかったかと愚考します。

Re: 「体重64kgの2型糖尿人で、1gの糖質が3mg血糖 - 巨人

2013/06/21 (Fri) 17:34:10

kosugeさま

江部先生が、バーンスタイン氏の著書のみを参考に、定義付けされているのかはわかりませんが、私は今体重130kgの二型糖尿病で今朝の血糖値が、食直前105で糖質10.7mg摂取し食後2時間血糖121(上昇値16)でした。
私は朝と昼は毎日同じ物を同じ量食べますので他の日の詳細な測定時上昇値は省きますが、どれも上昇値15〜16でした。
前述させて戴いた192÷体重=1g辺りの血糖値上昇値を参考にして計算しましたが、体重130kgで糖質10.7g摂取の場合、血糖値上昇値は15.8mgで概ね理想値と同じでした。
江部先生がその後もデータを取り、上昇率について調べていたのかは私には計りかねますが、江部先生が未だにあの(例として出していた?)基準値を使うという事はそれが正しいと思い(実際に確認して正しいと確信したのかも)、今も概ね正しいから使っているという根拠になり得るのではないでしょうか?

Re: 「体重64kgの2型糖尿人で、1gの糖質が3mg血糖値を上昇」の根拠は? - kosuge

2013/06/21 (Fri) 21:27:33

巨人様

ご推察が正しいのではないかと私にも思われてきました。おそらく江部先生はバーンスタインの件の箇所をご自分の患者さんの豊富な臨床データと照らし合わせ、相関関係を確信されたのかと。

糖尿病患者の体重と摂取糖質量が及ぼす血糖上昇値との相関関係理論----そう呼ばせていただきますが、もしこの理論が正鵠を得たものならば、なんと素晴らしい! バーンスタイン医師のも含めて、関連するいくつかの海外のLCHFの先端的な著作やサイト論文を読んでみましたが、何処にも出ておらず、この理論はおそらく江部先生独自に打ち立てたものかもしれないと。

私にとってこの理論が魅力的なのは、これによって摂取する食品が謳っている糖質量なるものが、額面通りなのか、そうではないのかが判別できるかもしれないからです。

きっかけは別の件名「ローソンブランパン」や「騙り業者」での私も含めた皆さんのやりとりです。もしこのパンが「なんちゃって」商品ならば、それを私たち消費者が証明するにはどうしたら良いのか---。ぜひ知りたいと思い、いろいろと内外の著作にあたったのですが、どこにも出てはいないのですね。管見の及ぶ範囲で、ですが。

その時に行き当たったのが江部先生のこれでした。とはいえ、失礼ながら、こんな簡単な理屈でいいのかと疑いました。そこで江部先生が依拠しているエビデンスはなんなのだろうと調べたのですが、バーンスタインまでは行き着いたものの結局ハッキリせず、皆さんへの再度の問いかけになった次第です。

江部式相関理論が正しければこの証明は容易ですね。多少の個人差はあえうにしても、巨人様がされたように、他ならぬ私自身の摂取1g当たりの血糖上昇値は割り出せるわけですから、ローソンブランパンを食してみて、そこから演算すれば、額面通りなのか、そうではなく「騙りもの」なのか判断がつくと。

まあ、もし多少糖質量が高かったとしても(食品成分表示は±20%の誤差を認めています ^^;)、それを折り込んでの制限食を続ければ良いではないかと個人的には思っておりますが。

ともあれ、考えるヒントを与えて下さった巨人様とざと様に感謝いたします。ありがとうございました。

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